これまで「描く」ツールを中心に解説してきました。
今回は「書く」ツール。
文字ツールの基本を解説します。
グラフィックソフトは数多くありますが、イラストレーターほど文字のデザインに強いグラフィックソフトはそうありません。
このあたりはフォトショップでもかなわないほどです。
今回はこの文字ツールを徹底的に解説しますので、3回連続記事となっております。
最後までおつきあいいただければさいわいです!
おはようございます!
何か情報を伝えるには文字は欠かせませんよね!
文字をどのように利用するかも立派なデザインです!
何か情報を伝えるには文字は欠かせませんよね!
文字をどのように利用するかも立派なデザインです!
【この記事は2019年7月15日に更新されました】
文字ツールパレット
ツールパレットから文字ツールパレットのみを切り離してご紹介します。
縦組み・横組みという組み方向をのぞくと、大きく分けて4種類のツールがあります。
文字ツール(縦横)、エリア内文字ツール(縦横)、パス上文字ツール(縦横)、文字タッチツールになります。
文字ツールはシンプルに文字を組んでいく、いわば標準の文字ツールです。
パス上文字ツールは、ペンツール、鉛筆ツールなどで曲線など、開いたオブジェクトを作り、そこに文字を入力すると形に沿って文字が配置されるツール。
エリア内文字ツールはペンツールや、図形系ツールで閉じたオブジェクトを作った上で、その範囲内にのみ文字を入れ込める様になるツール。
文字タッチツールは1つの文字単位で、変形・回転などのデザイン変更を行うことのできるツールです。
文字ツールを使うと謎の文章が…?!
以下、文字・パス上文字・エリア内文字ツールを使ってみたものなのですが…、画面をクリックすると謎の文章がでてきますね?
私も最新のバージョンを使ってみてギョッとしたのですが、文字ツールなどでは「山路を登りながら」、エリア内文字ツールなどでは「情に棹させば流される…」という文章が自動的に入ってきます。
夏目漱石の草枕の一節になりますが、いわゆるダミーテキスト(デザイン上、まだ文章が用意されていない時に文字が入った状態を仮に見せるもの)です。
これはこれで便利なのですが、勝手に文章が入ってしまうのは気になると言えば気になるかもしれませんね。
オフにしたい場合は以下の設定になります。
環境設定→テキストを開き、右欄の一番下「新規テキストオブジェクトにサンプルテキストを割り付け」のチェックを外します。以降、自動で文章が入らなくなります。
それぞれの文字ツールを使ってみよう
では実際にそれぞれのツールを使って、ダミーテキストを表示させて、それぞれどのように違うのかということを見ていきましょう。文字ツール
ツールを選んだら任意の場所をクリックします。クリックした場所がテキストオブジェクトの開始位置となります。
Illsutratorでは、文字も画面を構成する1つのオブジェクトという意味合いになりますので、文字を打ち込んだあとは自由に位置を変えることができます。
パス上文字ツール
まずペンツールなどで適当な開いたパスを描きます。次にパス上文字ツールを選び、パスの任意の場所をクリックします。
すると曲線に沿って文字が配置されます。また、パスのどの場所をクリックするかによって開始位置が変化します。
エリア内文字ツール
ペンツールや図形系ツールで適当な閉じたパスを描きます。
エリア内文字ツールを選び、パスの任意の場所をクリックするとパスの内側に文章が配置されます。
図形の形状は下図の例では長方形になっておりますが、形状は閉じた形状であればなんでもかまいません。
また、文字ツールはユーザー側で任意の場所に改行を入れていくのですが、エリア内文字ツールの場合は自動改行されていきます。
文字タッチツール
文字一文字一文字に対して、拡大縮小・移動・回転といった変形を可能にします。
古いバージョンでは1字ずつポイント数(文字サイズ)を変更していくか、回転、移動を行う場合は1字ずつのテキストオブジェクトにバラバラにしてから行う、などが必要でした。
文字タッチツールでは1つの文字ブロックはそのままの状態で、1字ずつ変更を加えていくことができます。
バラバラになるわけではありませんので、選択ツールなどに切り替えれば1つのオブジェクトとして選択・移動などが可能です。
今回は、4つの文字ツールをご紹介しました。
基本は横組、縦組ですが、それ以外にも曲線上に配置したり、1文字ずつ編集できるというあたりが、イラストレーターが文字に強いということを物語っているようです。
今回はここまでにさせていただいて、また次回に続きます。
では今回はこの辺で!次の記事でもお会いしましょう!