デザイン業界から遠い人や、これからデザイン業界を目指す人の中には、イラストレーターとグラフィックデザイナーの違いが分からないと言う人がいるようです。
しかし、本来はこの2つの職業は別のものです。
これを言うとたまに驚かれることがありますが、
極論を言うと「絵が描けないデザイナー」も居ますし、「デザインが苦手なイラストレーター」も居ます。
おはようございます!
デザイン講師ブロガーのセッジです!
今回は、別の職業であるにもかかわらず違いがわかりにくい、イラストレーターとデザイナーの違いについてお話したいと思います!
デザイン講師ブロガーのセッジです!
今回は、別の職業であるにもかかわらず違いがわかりにくい、イラストレーターとデザイナーの違いについてお話したいと思います!
こんにちは、トラノです!
先輩、アイキャッチの絵、タブレットのペン持ってる子がイラストレーター?
マウス持ってる子がデザイナーってこと?
先輩、アイキャッチの絵、タブレットのペン持ってる子がイラストレーター?
マウス持ってる子がデザイナーってこと?
言いたいことはよく分かる😅
今はデザイナーでもペンタブ使うからね。でもまあ描く事が主体なのとそうでない事を区別したかったと考えて下さい!
今はデザイナーでもペンタブ使うからね。でもまあ描く事が主体なのとそうでない事を区別したかったと考えて下さい!
日本では、この2つの職業は「美術系」に分類されるため、
美術系の学校に入学すると、初期の段階では同じようなことを勉強することになるのは確かです。
デザインとアートの場合は真反対とも言える関係にありますが、デザインとイラストは近い関係にあるとも言えるからです。
ですが、大きく違うところは、
イラストレーターは「描くコトに特化」しているのに対して、デザイナーは「設計に特化」しているということです。
もちろん必要であればデザイナーも描くコトがありますが、優先順位はかなり低くなるといえるでしょう。
次の項からそれぞれについて解説していきます。
美術系の学校に入学すると、初期の段階では同じようなことを勉強することになるのは確かです。
デザインとアートの場合は真反対とも言える関係にありますが、デザインとイラストは近い関係にあるとも言えるからです。
ですが、大きく違うところは、
イラストレーターは「描くコトに特化」しているのに対して、デザイナーは「設計に特化」しているということです。
もちろん必要であればデザイナーも描くコトがありますが、優先順位はかなり低くなるといえるでしょう。
次の項からそれぞれについて解説していきます。
イラストレーターとは
そもそもイラストとはイラストレーションの略です。
イラストレーションの語源はラテン語のLustrareであると言われ、
イラストレーションの語源はラテン語のLustrareであると言われ、
「照らす・わかりやすくする」という意味になります。
芸術家としての画家は、自分の内面にある思想・感情などをアウトプットして作品を作ります。
これも極論ですが、その意味では収益になるかどうかは二の次であるとも言えます。
ただ、それでは生きては行けませんので、自分の作品を売ったり、作品を作るために先にスポンサーを募ったり副業を持ったりします(ブログなどもそうですね)。
ただ、それでは生きては行けませんので、自分の作品を売ったり、作品を作るために先にスポンサーを募ったり副業を持ったりします(ブログなどもそうですね)。
イラストレーターの場合は「まず依頼ありき」です。
「作りたいものは他者が持っていて、イラストレーターは作成代行をする」存在であると考えています。
そう言ってしまうと文字の清書の絵画版の様にも思えてしまいますが、少し違うのはイラストレーターがクライアントから受け取るのは「情報」だけです。
その情報を解釈して自分のスキルや思想・感情なども盛り込んで視覚化した絵が「イラスト」と呼ばれるものです。
そのためまたもや極論ですが収益を前提としたモノ作りとなり、アーティストとデザイナーの中間にいる職業と言えます。
したがって、イラストレーターが芸術的な画家と同様なスタンスで(他者からの依頼を受けずに)描いた場合はそれは厳密には「イラスト」とは言えないと私は考えています。
また、依頼された作品を作る上で、絵を描くというスキル以外に知識も必要とします。
描くテーマで言えば、私の友人には天文学者か?というほどに天体に詳しいイラストレーターが居ますし、他にも動物に詳しい人、機械系に詳しい人、植物に詳しい人などが居て、詳しい分野については「この人に任せれば間違いがない」という程です。
グラフィックデザイナーとは
デザインの語源は何であるかご存知ですか?これもイラストと同じくラテン語のDesignareに由来すると言われ、
「計画を記号で示す」という意味になります。
つまりデザインとは、問題を解決するために思考して概念を生み出し、それをさまざまな形に作り上げる、設計思想そのものの事になります。
そして「グラフィックデザイナーとは、視覚情報(簡単に言えば画面)の設計者である」と解釈しています。
グラフィックデザインやグラフィックアートの範囲にあるもの、文章、写真、イラスト、マークやロゴなど、視覚から入る情報を素材として紙面・画面の上で組み合わせてデザイン作品を設計・制作するのが仕事です。
本来は画面の設計・制作が主ですが、さまざまな種類・分野の素材を扱うので、それぞれに対する広い範囲での知識を必要とします。
しかし、大抵の場合は文章であればライター、写真であればフォトグラファー、イラストはイラストレーター、マークやロゴならロゴデザイナーなど、専門家に割り振って依頼をするケースが多いので、全体の演出と統率・管理を任される場合もあります。
この場合は作業者としてのデザイナーという立場以外にアートディレクターという肩書きを持つこともあります。
もちろん全ての分野に精通し制作できれば、全ての予算を総取りできますので結構儲かると思いますが、そういう超人はなかなか居ません。
また、能力的に可能であったとしても制作期間的に無理という事も多いでしょう。
しかし、大抵の場合は文章であればライター、写真であればフォトグラファー、イラストはイラストレーター、マークやロゴならロゴデザイナーなど、専門家に割り振って依頼をするケースが多いので、全体の演出と統率・管理を任される場合もあります。
この場合は作業者としてのデザイナーという立場以外にアートディレクターという肩書きを持つこともあります。
もちろん全ての分野に精通し制作できれば、全ての予算を総取りできますので結構儲かると思いますが、そういう超人はなかなか居ません。
また、能力的に可能であったとしても制作期間的に無理という事も多いでしょう。
10数年前まではグラフィックデザイナーといえば、印刷・出版・広告系のデザインをする人の事でした。
しかし、最近は広義な意味で言うと映像系、Web系のデザイナーもグラフィックデザイナーに含んでしまうこともあります。
ただ、その全てをこなそうと考えると相当幅広い知識が必要とされるでしょう。
しかし、最近は広義な意味で言うと映像系、Web系のデザイナーもグラフィックデザイナーに含んでしまうこともあります。
ただ、その全てをこなそうと考えると相当幅広い知識が必要とされるでしょう。
映像デザイナーはデザインスキルの他に映像技術の知識とスキル、
Webデザイナーは同じくデザインスキルの他にインターネットの知識とスキルが必要とされます。
これまた、全てこなせればかなり広い範囲で仕事が受注でき、非常に強い武器となりますが、こういうタイプの人もなかなか居ないと思われます。
Webデザイナーは同じくデザインスキルの他にインターネットの知識とスキルが必要とされます。
これまた、全てこなせればかなり広い範囲で仕事が受注でき、非常に強い武器となりますが、こういうタイプの人もなかなか居ないと思われます。
この様にグラフィックデザイナーと言ってもさらに細分化されてきています。
それでも全てのグラフィックデザイナーに共通する中心的な業務は、情報を整理し、視聴者・読者・消費者に判りやすく記憶に残る形で伝達することです。
ザックリいえば「情報伝達における問題点を解決する」ということが仕事なのです。
それでも全てのグラフィックデザイナーに共通する中心的な業務は、情報を整理し、視聴者・読者・消費者に判りやすく記憶に残る形で伝達することです。
ザックリいえば「情報伝達における問題点を解決する」ということが仕事なのです。
イラストレーターやデザイナーという職業
学生時代の話ですが、私はグラフィックデザイン科のイラストレーション専攻でした。卒業を控え、いくつかの会社を訪問しようと思い専門学校の就職課を訪ね、斡旋先を探していた所、就職担当の先生から声をかけられます。
セッジ君はどの職種で就職したいの?
ボクはイラスト専攻なので、やはりイラストレーターになりたいです
と答えると、先生はふっと微笑みながら爆弾を落とします。
セッジ君…。イラストレーターとしては就職できないよ?
!!?
私の実力その他が足りないと言われているのかと答えに困っていると、
だって求人票を見てご覧?ほとんど求人無いでしょう?
とさらなる追撃が。
そうなのです。
言われたとおり求人票を相当数見てみても、イラストレーターでの求人はほとんどありませんでした。
当時は会社員でイラストレーターという状態は非常にレアでした。
ほとんどがフリーランス(または自ら会社を興す)くらいしか方法がありませんでした。
しかし、人脈も実績も無い学生には突然フリーになってもうまく行きません。
結局、就職はどうしたかと言いますと、一旦はデザイン会社に就職しましたものの、一切デザインはさせて貰えなかったため退職するコトになり、
その後、以前アルバイトをしていた映像制作会社でデザイナーを必要としているというお話を頂き、正社員として採用されることになりました。
今にして思えば、その会社に履歴書を提出した覚えが無いので、かなりゆるい会社だったと思います…(笑)
私以外にも現在イラストレーターとしてお仕事をされている人の多くは、グラフィックデザイナーを経験されて来た方が多いです。
グラフィックデザインという仕事はそれだけ幅が広く、極論ではあるもののイラストはグラフィックデザインの一部とも言えるので、グラフィックデザインで仕事の全体的な流れを覚え、人脈を作り、特化していきました。
イラストレーター兼デザイナーへ
卒業して十数年が過ぎ、母校であるデザイン学校に講師として戻り、現在の就職の状況を聞いて驚きました。学校にはたくさんの会社員としてのイラストレーターの求人が来ていたのです。
イラストの需要は十数年前とは大きく変わっています。
昔よりもいわゆるオタク文化が社会的に認められていることもあります。
トレーディングカード、ソーシャルゲーム、ライトノベル、など。
イラストがコンテンツに影響を与える度合いが高くなっているので、社員として雇って自社コンテンツの制作を担当することが増えているのです。
就職口がかなり増えたと言うのはイラストレーターとして幸せな事ですね。
ただ、その後ずっと会社に所属し続け、イラストレーターとして最前線に立ち続けられるのかというとちょっと疑問が残ります。
経験年数があがり同時に年齢も上がってきた時に、おそらく会社からは管理職に回ることを要求されると思います。
マネージャーやディレクター、その役割をやれそうな人は良いかもしれません。
しかし、コミュニケーションが苦手だったり、「とにかくイラストを描いてお金にしたい」という人の場合は、会社を辞めることも考える事になるでしょう。
こういった経緯で多くのイラストレーターは独立します。
しかしながらトップイラストレーターならともかく、ほとんどのイラストレーターはイラストだけで食べていくことは難しいと思います。
実際私がそうなのですが、イラストレーターが兼業としてやっている職業で一番多いのがグラフィックデザイナーなのです。
私の主観ですが、この2つの職業は兄弟・姉妹の様なものです。
デザイナーからイラストレーターに制作を依頼することが多いですし、
イラストそのものがグラフィックデザインの中の一要素と考えると、デザイナーが兄か姉でイラストレーターが弟か妹と言ったところでしょうか。
イラストレーションの勉強をする過程では、デッサンなどの基礎美術の他に、色彩構成、レイアウト、文字組み、印刷知識…などデザインの領域の勉強もすることになります。
イラストレーターの卵たちは「絵は描きたいけどデザインは苦手」な事も多く、そのへんの勉強を敬遠する子たちもいます。
しかし、デザインを知るということはイラストを取り巻く全体の流れを知ることができる良いチャンスです。
全体を知っていれば、イラストという要素に必要とされるモノが理解出来、イラストレーターとしても、グラフィックデザイナーとの打ち合わせがスムーズになります。
将来的にフリーランスになることも考えるならば、グラフィックデザイナーの知識についても押さえておくことが望ましいでしょう。
美術の世界ではこの2つの職種のように、一般的には区別しにくいものが結構ありますネ!
うん、そうだね。こういったコトは、その職種をめざす人だけでなく、多くの人にも知ってほしいと思っています!
では今回はこの辺で!また他の記事でもお会いしましょう!
では今回はこの辺で!また他の記事でもお会いしましょう!
デザインワーク関連記事はこちら
デザイン道具いまむかし
クラウドソーシングとイラストの価格の話
イラストの料金はどう決まる? 40年と30秒
知っておきたい!デザイナー職種一覧
デザインとアートの違いとは?
クラウドソーシングとイラストの価格の話
イラストの料金はどう決まる? 40年と30秒
知っておきたい!デザイナー職種一覧
デザインとアートの違いとは?
コメント