酉の市の熊手 2017


本日(2017年11月30日)は三の酉、酉の市の最終日でした。
我が家では毎年近所の大鳥神社に通い、新しい熊手をいただくという事を習慣としております。


今年の酉の日は一の酉:11月6日、二の酉:11月18日、三の酉:11月30日でしたが、我が家で熊手を買いに行く日は、毎年二の酉か三の酉、つまり最終日を狙っていきます。
※暦上、二の酉が最終日の年と、三の酉が最終日の年があります。

なぜ最終日かというと、熊手屋さんが〆ということで値段を下げてくれたり、おまけを付けてくれたりするからです。

でも安く買い叩きたいわけではありません。なぜかというのは後述いたします。


熊手の買い方

去年ちょっとやらかしてしまったのですが、縁起をかつぐ意味での買い方があります。

初めて熊手を買うときは、予算がたくさんあったとしても小さな熊手から始めるのが良いとされています。

熊手は「福をかきこむ」という意味の縁起物なわけですが、少しずつサイズアップをすることで前年度よりも多くの福を集められるように、という願掛けの意味があるそうです。

逆に、前年度よりも小さい熊手を選んでしまうとあまり縁起が良くないとも聞きます。

うちがやらかしてしまったのはこれですね。

縁起物ですので、気の持ちようではあると思いますが、今年はちょっと不穏な事もありましたので、今年は昨年のものよりも少しだけサイズアップしました。


熊手のデザインを選ぼう

トップに配置した写真が今年購入したぬいぐるみ猫熊手です。
猫熊手は我が家が毎年熊手を購入するきっかけになったものでもあります。

うちは家族では男は私1人だけですから、かわいいもの好きな女3人の意見が最優先されてしまうのです(笑)

熊手の飾りのことを指し物と言いますが、金運アップなら小判・ひょうたん・小槌など、福を招きたいなら招き猫やお多福(おかめ)、商売繁盛なら金俵・稲穂・桝などといったものが取り付けられています。

強い福の力を引き寄せたいなら、七福神が乗っている熊手などもありますね。

本来熊手は伝統工芸ですから、昔からよく見かける形状をした指し物が多い世界ですが、その中で異彩を放ったデザインをしているのがこのぬいぐるみ猫熊手です。

今年の熊手はサイズアップしたこともあり金俵・稲穂・小槌などの多くの要素(指し物)がありますが、猫が小槌を持っているデザインであることから、招き猫でもあり、大黒様でもあるという福パワーが強い猫のようです。

また、猫の右側には火消しの纏(まとい)がありますね?
これは「三の酉がある年は火事が多い」という言い伝えから火事避けの意味だと思われます。

本来熊手は毎年役目を終えると購入した神社に返納することになりますが、こういうデザインのため、お焚き上げで燃やすことになるのは忍びないので、毎年ぬいぐるみ猫だけ外して取ってあります。


最終日に買いに行く理由

前述したように熊手屋さんが値引きやおまけをしてくれるからなのですが、例えば欲しい熊手が7000円だったとします。

熊手屋さんは5000~6000円と提示してきます。
ここで初めての人は本当にその値段で買って帰ってしまうと思いますが、何度か購入していて常連になっている客は、その金額に上乗せして本来の値段で購入します。

実質的に値引きをしていないのと同じなのですが(笑)、

この差額部分は「ご祝儀」となり、客はだんな衆気分になり、熊手屋は儲かったという気分になるという、ちょっとした粋な江戸っ子風のやりとりを楽しむ意味があります。

また常連になると、熊手屋さんは客のために入山(いりやま:客の名前を書いた札)を刺してくれるようになるので、それも少しうれしいものだったりします。
※バッチリ個人名が入っているので隠しておりますが、うちの場合も写真右上に入山がささっています。

写真AC https://www.photo-ac.com/

手締めをしてもらおう

さて、熊手を買ったら、最後に手締めをしてもらわないと締まりません。
熊手を購入し、手締めをしてもらうというのが酉の市の伝統だと言われています。

手締めとは「家内安全!商売繁盛!益々繁盛!」の掛け声から始まり、拍子木と共に大勢で手を打つあれですね。

なんでも浅草の大手の熊手屋さんでは客の人数が多いせいか、1万円以上の熊手か常連でないと手締めをしないところが増えているとのことですが、うちの場合は地元の神社の熊手屋さんのためか、初めて買ったときから手締めをしてくれていたような覚えがあります。

手締めが終わったら、客も熊手屋さんもお互いに「ありがとうございました」と言い合って終了です。

こうやって熊手という商品を買うだけでなく、一連のやりとりを楽しむのも「熊手という縁起物を買う醍醐味」なのです。

今年の酉の市はもう終わってしまいましたが、みなさんも機会があれば1年の締めくくりの一つとして、この伝統的なイベントを楽しんでみてはいかがでしょうか。



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