前回の講座では星図を入手し星々の位置から星座線を作りました。
今回はより星座の神話という物語性を感じる「星座絵の描き方」です。
やぎ座(山羊座)は牧神パーンが化身した姿と言われています。
今回はやぎ座の星座絵を描きながら、星座の物語に思いをよせてみましょう。
また、今回はベジェ曲線を利用するため、ペンツールや曲線ツール、鉛筆ツールを駆使しますので、それぞれの講座も再度ご確認いただけますと幸いです。
セッジです!おはようございます!
星座線は実際の星の位置関係から描いていきますが、今回は完全にイメージの世界ですね!
星座線は実際の星の位置関係から描いていきますが、今回は完全にイメージの世界ですね!
【2018年10月28日】
やぎ座の神話
伝令神ヘルメスとニンフ(下級女神)のドリュオペから生まれたのが、牧羊神パーンです。パーンは頭にはヤギの角と尖った耳をもち、上半身は人間で下半身はヤギという姿をしていました。
パッと身はちょっと怖い姿をしていますが、実はとても陽気な性格をしています。
ある時、天上の神々はナイル川のほとりでうたげを開きました。
太陽と音楽の神アポロンは琴をひき、音楽の女神ミューズが舞い踊る、華やかなうたげです。
パーンも笛をふいて、みんなを楽しませていました。
しかしそこへ突然、怪物テュポーンが現れます。
テュポーンは、たくさんの息子たちをゼウスに倒された大地母神ガイアが、復讐のために生んだ怪物です。
雄叫びを上げて現れたテュポーンを見て、神々はあわてて逃げ出します。
大神ゼウスは鳥になって天空へと舞い上がり、他の神々もそれぞれに姿を変えて逃げ出しました。
神々の中でも、一番あわてたのがパーンです。
パーンは急いでナイル川に飛び込み魚になって逃げようとしますが、あまりの恐怖にあわてたので、上半身は山羊で下半身は魚という姿になってしまいました。
神々はこの姿が面白いと大喜びし、大神ゼウスはこの時の記念にとパーンの姿を星座にしたと言われています。
また、パーン(Pan)が恐怖によりあわてたことから、パニック(Panic)の語源になっているとも言われています。
ブロック分けをして描いていこう
星座絵は大抵星座線と重ねて使うことが多いものです。
すでに星座線でカクカクした線はつかってしまっていますので、区別をするためにはなるべくなめらかな曲線にしたいところですね。
ですが、ちょっと一発描きするには厳しい形をしていますので、いくつかのパーツに分けて描き結合していく、というやり方をすると少し楽に描けます。
主に分ける部分としては、大まかに、頭、胴体、前脚それぞれ、尻ビレ、という形で描き進めてみましょう。
頭部の作成
では比較的曲線を描くのが楽な曲線ツールで頭部から描きましょう。角や耳などがありますが、一旦後回しにしてまずは頭のみ描いていきます。
アンカーポイントを作る場所が慣れないうちは判りにくいとおもいますが、基本的には出っ張っている場所と、へこんでいる場所に作成していくと良いでしょう。
ちなみに曲線ツールの場合は、アンカーポイントは丸い点で表示されますので、それぞれの図のポイントの数や、位置を参考にしてみてください。
アゴのラインをトレースしたら、そのまま最初の点につないで閉じたパスにしておきます。
頭が描けたら、耳と角を描いていきましょう。
それぞれUの字を逆さにしたようなイメージで描いていきます。
耳と角は閉じたパスにしなくても大丈夫です。(閉じてもOK)
耳と角が描けたら、これを頭と結合しましょう。
全てを選択してシェイプツールで、例えば耳から頭、角から頭、といった具合に線を引っ張ることでそのときのプレビュー(赤い線)の形に結合されます。
結合が終わると、開いたパスを結合したので、内側に飛び出た線(下図緑色の部分)が残っています。これらは選択ツールで選択・削除をしておいてください。
胴体の作成
次は胴体の作成に入りましょう。やぎ座は神話の通り、上半身はやぎ、下半身は魚という状態になっていますが、これもブロック分けをして、上半身を描いてから、下半身を描き、結合するという手順でやっていきます。
※先ほど描いた頭部は隠してあります。
頭の内側当たりから描画スタートしていきます。
途中尖ったコーナーがありますが、こういうところは尖らせたいところでダブルクリックしてください。これで曲線の途中に尖ったコーナーが作成できます。
また、アンカーポイントにも違いがあり、曲線のポイントは普通の白丸になっていますが、コーナーのポイントは内側に黒い点ができています。
それでは下半身、尾の部分にさしかかったらこちらも食い込む形で折り返していき、最初のポイントに戻って、閉じたパスにしておいてください。
下半身=尾の作成に入ります。(上半身は隠しています)
尾びれの中心からスタートして尾がトグロを巻いている部分をコーナーにして、あとはそのまますべて曲線の状態で最初に戻り、これも閉じたパスにしておきます。
それからトグロの内側の線をひきます。
曲線ツールは既存のアンカーポイントを触ってしまうと形状の変化になってしまいますので、一度外などに位置を外してクリックして、そのあとコーナー位置に合わせましょう。
そのまま(結合された尾と胴は隠し)尻ヒレを作成して、こちらも尾と胴と尻ヒレを選択して尻ヒレから胴に向かうような形で線をひくと、交差している線が消えます。
前脚の作成
続いて、前脚の作成に入ります。(例によってこれまで作成したものは隠しながら)左前脚から作成します。左前脚の付け根部分が胴に食い込む形で描きます。これは閉じたパスにしておきましょう。
胴を表示し、銅と左前脚を選択したら、シェイプツールで食い込んだ部分を含めてなぞって結合します。
さらに右前脚も作成しましょう。(またこれまでのものは隠して)
肘にあたる部分が胴体に食い込む形でスタートして、また胴に戻るように描いていきます。
前腕部と中手骨の間の線は、尾と同様にコーナーに置くポイントを一度ズラしてから合わせるようにしてください。
それでは胴体を表示し、右前脚と胴を結合しましょう。
胴と右前脚を選択して、シェイプツールで胴から右前脚に向けてなぞっていきます。
(逆でもOK)
ライブペイントを使った結合
頭と胴体を結合したいのですが、シェイプツールを使用するとアゴの線が無くなってしまいます。ここではライブペイントを使用しましょう。
あとで透明にするため、どの色でも構いませんのでライブペイントでやぎ全体を塗りつぶしておきます。
つぎに、頭の内側に食い込んでいる胴体の線を、ライブペイント選択ツールで選択して削除します。
続けて、アゴのラインを一部消しておきたいので、パス消しゴムツール(Shaperツール長押し)を使い、消したい部分をなぞっておきます。
最後に、やぎ全体の塗り色はなしにして、たてがみの毛羽立ちを付けましょう。
これはけっこうラフな感じで良いと思いますので、鉛筆ツール(Shaperツール長押し)でザっと描いてしまって大丈夫です。
これで星座絵はできあがりですが、尖ったコーナーがかなりきつく見えることもありますので、線パネルで線端:丸型、角の形状:ラウンド結合にするのもお忘れなく。
できあがったやぎの星座絵をグループ化して線幅を細め、線色をシアンっぽい青にして、前回の星座線と組み合わせたのが以下になります。
おまけで線に効果の光彩(外側)を付けて少し発光しているようなイメージにしてみました。
まとめ
今回は星座素材:やぎ座しめくくりということで星座絵を描いてみましたが、いかがでしたでしょうか。やぎ座が生まれの星座の方、ギリギリになってしまい申し訳ございません。
これまでの講座は割りと数値で作成できるものが多かったので、ご説明もしやすかったのですが、今回はそれがほとんどできない形になってしまいました。
ただ、それでも曲線ツールを使うと比較的、ベジェ曲線に慣れていない方でも描きやすいと思いますので、曲線の練習を兼ねてお試しください。
でも、いずれは全てペンツールでできるようになるのが一番です。
動画での解説も作成いたしました!
あわせてご覧いただけますと嬉しいです!
では今回はこの辺で!おつかれさまでした!
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講座としましては、主に星座マークと星座線の描き方を解説しています。
イラストレーター形式のイラスト素材としても販売しておりますので、ぜひ一度ご覧ください。
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