パソコンで絵を描いてみたい、という人は多いと思います。
でも、そこで悩むのは絵を描くためにはどんなソフトがあるのか、どれを選べばいいのかわからない、ということですよね?
今回はそんなあなたに厳選した3つのソフトをご紹介します!
パソコンでお絵描きするソフトのことを「グラフィックソフト」といいます!
これには無料のモノ、有料のモノがあります!
【この記事は2019年5月17日に更新されました】
グラフィックソフトの種類
パソコンでお絵かきするソフトのことは、一般的に「グラフィックソフト」といいます。比較的知られているグラフィックソフト12本を並べてみました。
※Canvasは両対応としていますが、Mac版は廉価版のCanvas Draw4のみ対応です。
上の表ではペイントソフトが8本、ドロウソフトが4本あります。
また、そのうちペイントソフトでは4本が無料、ドロウソフトでは1本が無料です。
- 無料のものは突然配布されなくなる可能性がある
- トラブルが発生してもサポートしてもらえないことが多い
- ユーザーが分散しすぎていて情報を集めるのが難しい
- 高度な事をするときに性能が追い付かない可能性がある
- 印刷会社に印刷を発注する場合、有料ソフトが必要になる
ということから、私としては有料のものをオススメしています。
と思いますよね?まずはそちらからご説明します!
ペイントソフト
「アナログでのお絵描きと同じような感覚で描くことができる」
「多彩な色が使えるので、写真や水彩・油絵のような表現ができる」
ということがペイント系ソフトの特徴になります。
紙をパソコンの画面に置きかえて普通に描いていくことができるので、パソコン初心者でもすぐ描くことができます。
パソコンの画面を拡大すると小さな四角い点=ピクセルが並んでいるのがわかります。
ペイントソフトではこのピクセルがマス目のように並べられています。
このような画像を「ラスター」または「ビットマップ」とも呼びます。
ピクセルは1点ごとに多彩な色を持つことができます。
そのため、写真や水彩、油絵のような複雑な配色を持った画像を扱えるという大きなメリットがあります。
また最近では、マンガに特化したソフトもあるのがこのジャンルです。
反面、拡大縮小に弱かったり、仕上がりサイズがポスターなど大きい場合は、巨大なファイルサイズになってしまうのがデメリットです。
また、アナログの絵を描くのと同じように筆運びが影響しますね~
ドロウソフト
「画像を円や直線・曲線などの「図形の集合体」として表現している」
「ピクセルの制約を受けないので拡大縮小に強い」
ドロウソフトは、ざっくりいうと「情報化した絵」を作るソフトです。
どういうことかというと、例えば正円なら「タテヨコ10㎝の円」と言いかえることができます。
これが「情報化した絵」ということです。
このような画像のことを「ベクター」とも呼びます。
具体的な例をいえば、はがきサイズで絵を描いたとします。
かなり良いものができたので、これをポスターサイズにしようと考えました。
ペイント系ソフトで描いた場合は、ポスターよりもはがきの方がピクセルの数が少ないので作り直しになります。
ドロウ系ソフトで描いた場合はデータは画像の形についての「情報」なので、最初のサイズが小さかったとしてもピクセルの制約を受けません。
つまり、拡大縮小に強いことが最大のメリットとなります。
これは文字やロゴマーク、グラフィックアート、少ページのDTPなどに向いています。
※ページが多いときはInDesignというレイアウトソフトを使います。
また、データとして持っているのは「大量のピクセル」ではなく「絵を作る情報」ですのでペイント系に比べてファイルサイズは小さくなります。
その反面、ペイント系のようにピクセル1点ごとに多彩な色を持つことができないので、写真や水彩・油絵のような表現は苦手です。
また直接筆を動かさないので、筆運びが苦手な人でもキレイな線が描けますよ!
グラフィックソフトの知名度
さて、このように今回ご紹介したグラフィックソフトだけでも全体で12本あります。
私も使ったことがないソフトも多いので、全部をご紹介するのは無理があります。
そこで、以前私が教えてきた生徒からとった簡単な知名度のアンケート結果をサンプルにして、ご紹介するソフトを選出します。
私が生徒たちに聞いたところ以下のような結果がでています。
若い世代にはCLIP STUDIOが人気だと聞いてはいましたが、
改めて見てみるとすごいですね。
日本ではすでにPhotoshopと同じくらいか、それを超えるかもしれません。
よって、Photoshop、CLIP STUDIO、Illustratorの3つにしぼってお話します。
Photoshop(フォトショ)とは
フォトレタッチやペイントソフトの王様ともいわれていますよ!
「フォトショップ=写真屋」という名前のとおり、本来は写真などの加工・調整を主体としたソフトです。
しかし、ブラシツールの筆の種類や描く機能も豊富なため、ペイントソフトとしても愛用しているユーザーも多いです。
このソフトはフォトプラン(税込2380円)、単体プラン(税込3280円)、Adobeほぼ全てのソフトが使えるコンプリートプラン(税込7780円)という価格設定があります。※どれも年間契約での月額。
機能的にはどれを使用しても同じです。
もともとAdobeという会社は業務用デザインソフトメーカーとしてスタートしています。
そのため、Adobe製品はプロのデザイナーやイラストレーター、印刷会社、映像制作会社などに使用されています。
業務用に開発されていますので、作業時のカラーはWebや映像制作ではRGB、印刷ではRGBまたはCMYKでできるようになっています。
Photoshop CC 2018以降ではAdobeが開発したAI(人工知能)Adobe Senseiに対応しました。
これまで写真の人物の切り抜きなどは、ユーザーが見て判断し処理していました。
そういったものをAdobe
Senseiが判断しほぼ自動でできるようになりつつあります。
また、本来はグラフィックソフトというものは静止画のみを作成するものなのですが、Photoshopはアニメーションを作ることもできます。
王様といわれるだけあって、なんでもできちゃいそうなのがPhotoshopです。
写真もいじりたい、イラストも描きたい、デジタルアート作品も作りたい、そんなとにかくなんでも作ってみたい人には、Photoshopをオススメします。
CLIP STUDIO(クリスタ)とは
イラスト・マンガ・アニメにターゲットをしぼったペイントソフトです!
Photoshopと比較すると、どちらかといえば「描く」ことに特化したソフトです。
このソフトには機能制限版のPro版(税込5900円)、すべての機能が使えるEX版(税込24900円)があります。※ともにダウンロード版価格
水彩、油絵のような厚塗りなどはもちろんですが、なによりも特徴的なのはEX版ではマンガを描くのに特化していることです。
これにより、パソコンでマンガを描く人が増えたことに貢献していると言われています。
マンガは白黒が基本です。
そのため陰影を表現するには、ハッチング(一定の面を平行線で埋める技法)をかけるか、スクリーントーンという網点をかける必要があります。
アナログのマンガでは、線画を描いた後にスクリーントーン(のりが付いた網点シート)を貼っていく必要があります。
CLIP STUDIOでは色を塗る感覚で簡単にスクリーントーンをかけることができます。
また、コマ割り支援機能を持っているので、意外とめんどうなコマ割りも簡単です。
もともとセルシスという会社は「RETAS!(レタス)」というアニメ業界No.1をほこる業務用アニメシステムを開発・販売していました。
そのため、EXでは日本のアニメに対応したアニメーション機能も持っています。
このようにCLIP STUDIOは、高機能でコストパフォーマンスも高いソフトです。
かなり尖ったソフトなので、パソコンで流行のイラストが描きたい、マンガが描きたいという人にオススメします。
しかし、一点気になるところがあります。
それは作業時に使用できるカラーはRGBのみだということです。
印刷会社で印刷する際に必要なCMYKは保存時のみ対応するため、印刷結果の予想がつきにくいかもしれません。
この辺りは今後に期待ですが、そもそもPhotoshopなどとは価格帯が全然ちがいますし、頑張っているソフトだと思います。
Illustrator(イラレ)とは
いまは「AdobeといえばPhotoshop」といわれますが、実はAdobeのソフトの中では最も歴史が長く、昔は「AdobeといえばIllustrator」と言われていた時代もありました!
こちらもプロのデザイナーやイラストレーター、印刷会社、映像制作会社に使用されていることが多いです。
もともとillustratorは、Adobeがフォント制作用に開発した社内ソフトを原型として、一般向けに販売したものです。
このソフトには単体プラン税込3280円、コンプリートプラン税込7780円という価格設定があります。※どれも年間契約での月額。
出版・印刷では輪郭にギザギザが見えたり、ボヤけた文字は使えません。
そこでこのPostScriptを使って文字=フォントをデザインするソフトが必要でした。
こうして誕生したのがillustratorの原型だったのです。
上で書いたようにドロウソフトはピクセルの制約を受けません。
小さく作ったものを拡大しても劣化することがないため、ロゴマークや文字、少ページのDTPにマッチします。
Photoshopと同じく、作業時のカラーはWebや映像制作がRGB、印刷ではCMYKが使えるようになっています。
Illustratorは「覚えるのがむずかしい」と言われてしまうことが多いです。
しかしある程度使えるようになってくると、前述のはがきとポスターの話のように実は状況の変化に対応しやすくなります。
また、Photoshopと組み合わせることで総合デザインソフトになります。
グラフィック表現をする上では、
「イラレとフォトショがあればだいたいなんでもできる」
と言ってしまっても過言ではありません。
大事な部分を支えているソフトなので、トータルで作品を作りたいという人にオススメ。
グラフィックソフトの選び方
今回は日本の若い世代のクリエーターに絶大な人気のあるCLIP STUDIO PAINT、
日本だけでなく世界のデザイン・アートの分野で活躍しているPhotoshopとillustratorを中心にご説明いたしました。
同じ「グラフィックソフト」と言っても完全に競合しているというわけではなく、それぞれ特化しているということが面白いと思います。
特に日本生まれのグラフィックソフトCLIP STUDIOはかなり尖った方向に進化していっていますので、とても面白いです。
開発元のセルシスさんを含め応援していきたいですね。
さて、当ブログはillustratorの講座を中心として開設したブログです。
そのためドロウソフトであるillustratorには強い思いがあります。
そしてこのブログに来ていただいたあなたには、ぜひillustratorを使ってもらいたいと考えています。
ドロウソフトはグラフィックソフトのジャンルとしては少しマイナーになってきているようにも感じます。
ですが、ペイントソフトにはない魅力がドロウソフトにはあります。
そこで「ドロウソフトを使うべき3つの理由」をテーマとして、今回の続きとなる記事も作成しました。
ひきつづき、次回もよろしくお願いします!
ぜひ次のドロウソフトを使うべき理由についてもご覧ください!
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